2021年03月14日

いぶりがっこチーズ(おむすび)

いぶりがっこいぶりがっこ.jpgチーズ

 いぶりがっこを細かく刻み、ご飯と混ぜておむすびにして、芯にチーズを入れて海苔で巻いています。いぶりがっこは、燻製した大根を糠と塩だけで漬け込んだもので、燻製のかおりが強く、発酵食品でもあるのでチーズと相性がとてもいいのです。
 ちょっと高めの居酒屋さんで薄くスライスしたいぶりがっことクリームチーズを合わせたおつまみなどもあり、おつまみとしても最高。
 いぶりがっこは、かたい漬け物なので、おむすびと合わせるために細かく刻んでいます。食べやすい食感といぶりがっこの存在感をだすのに苦労しました。3月から5月過ぎごろまで提供しています。

 いぶりこうこ
 使っているのは、岡山県真庭市中和地区で作られている「いぶりこうこ」。作り方はいぶりがっこと同じですが、「いぶりがっこ」は地域ブランド名なのです。
 作っているのは、一般社団法人アシタカさん。かっこいい名前です。
 アシタカさんは、中和地区の地域おこしを目的にしています。地元の森林整備で出た間伐材を地域の人達から有償で引き取って、それを薪に変え、地元の公共温泉兼ホテルの薪ボイラー燃料として納入し、小さな経済を回しています。それ以外にも、地域の資源を活用して小さな経済をつくろう知恵をしぼっています。
 いぶりこうこもそのひとつ。中和地区はかつては中和村という小さな村で、岡山県と鳥取県の県境の山村です。近くには蒜山高原(ひるぜんこうげん)があって、そちらは牧場などもある広大な高原ですが、中和地区は山あいに田んぼと畑がいりくんだ里山です。このあたり一体は「蒜山大根」というブランドで高く大根が売れた時期がありました。立派な大根ができます。いまでは作る人も少なくなったおいしい大根と、間伐材、それに米ぬかを使ってできるのが燻製大根漬けです。アシタカさんは、秋田のいぶりがっこの現場に行って作り方を教わり、試行錯誤をして本場にひけをとらない「いぶりこうこ」を完成させました。
 毎年秋に大根を収穫したあと、それを3日以上燻製小屋でいぶすのですが、それは誰かが72時間以上つきっきりになるということです。それを聞くだけで気が遠くなりそう。
 アシタカさんでは、冬場に発酵がよくなるよう、つけ込みには、糠、塩と、ざらめ糖を使っています。ざらめ糖を入れることで発酵が安定するのです。ですが、少し甘くなるので、無理をお願いして、糠と塩だけの辛口仕込みをお願いしています。これは、いまのところ、はますかむすびと、旅館1店だけで使わせて頂いています。ありがたいことです。

 さて、アシタカさんとはますかむすびのつながりですが、実は、大将の私が、おむすび店を始める前、数年間、中和村の地域おこしの仕事をお手伝いしていたのです。アシタカさんの設立にも関わりました。
 中和地区は、最近は全国的にも注目を集めています。というのも、移住者が増えているのです。以前から、たとえば蒜山耕藝さんのように、自然栽培を軸にした暮らしと仕事(なりわい)を求めて移住してきた方もいます。その上、真庭市とNPO共存の森ネットワークさんが共同で「真庭なりわい塾」を開講し、都市の人が農山村に移住して暮らすための実践的な方法や考え方を学べるようにしており、その塾生の一部が移住して新たなとりくみをはじめたりしているのです。
 残念ながら、はますかむすびをはじめてからは、1度しか真庭市を訪問していません。
 また行ってみたい大切な場所です。
 いぶりこうこを細かく刻みながら、頭の中では中和の風景を思い返しています。

 少しだけですが、いぶりこうこ単体も店頭で扱っています。

アシタカ
http://ashitaka.or.jp/
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posted by むすびぃ at 17:38| おむすびうんちく